不動産売却時の媒介契約とは?種類ごとのメリットや注意点を解説
不動産売却時の注意点
●媒介契約とは、不動産会社と販売活動や報酬などについて取り決めること
●媒介契約の種類によって、売主に対する販売活動の報告義務の頻度などが異なる
●短期集中で確実に不動産を売却したい方には専任系の媒介契約がおすすめ
不動産を売却する際には、不動産会社と媒介契約を締結する方法が一般的です。
しかし、媒介契約とはどのようなものなのかについて、くわしくは理解できていないという方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、媒介契約の種類や、種類ごとの特徴とメリット・デメリットについて、そして媒介契約を結ぶ際の注意点やポイントについても解説します。
名古屋市内で不動産売却を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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媒介契約とは?不動産売却に向けて媒介契約の種類を知ろう
不動産を売却する際、多くの売主は不動産会社に仲介を依頼します。
売主個人では買主を見つけることが難しく、売買契約を進めるためにも専門的な知識が不可欠だからです。
そして、不動産会社に仲介を依頼するには媒介契約の締結が必要になります。
媒介契約とは
媒介契約とは、不動産売却に向けた販売活動の内容や方針そして条件、また売却が決まった際に不動産会社に支払う報酬などについて売主と不動産会社が事前に取り決める約束事です。
売主にとって不利な契約とならないよう、国土交通省によって標準媒介契約約款が策定されています。
媒介契約を結ぶ際には、主に次の6つのポイントについて確認するようにしましょう。
- 媒介契約の種類
- 売主への業務報告の内容
- 指定流通機構への登録
- 契約期間
- 成約時の報酬
- 違約金や費用償還の請求
このなかでも、とくに重要になるのが「媒介契約の種類」についてです。
媒介契約の種類
媒介契約には、「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の3種類があります。
それぞれ特徴が異なるため、内容を理解したうえでご自身に適した契約方法を選択してください。
専属専任媒介契約とは
専属専任媒介契約は、3種類のなかでもっとも制限が厳しい媒介契約です。
まず、専属専任媒介契約では売主は複数の不動産会社と並行して契約を結ぶことができません。
また、売主が自分で見つけた買主でも不動産会社に仲介させなければなりません。
一方、専属専任媒介契約では不動産会社に対する制約も厳しい点が特徴です。
まず、指定流通機構(レインズ)への登録は媒介契約を結んだ翌日から5営業日以内と決められています。
レインズとは、不動産情報を登録することで全国の不動産会社がお互いの情報を共有できるオンライン上のネットワークのことです。
また専属専任媒介契約では、売主に対する販売活動の報告を1週間に1回以上おこなうことが義務付けられています。
これは、3つの媒介契約のなかでもっとも高い頻度です。
なお、契約の有効期間は3か月以内と定められています。
専任媒介契約とは
専任媒介契約では、専属専任媒介契約と同じく同時に複数の会社と契約を結ぶことができません。
しかし、売主が自分で見つけた買主と売買契約を結ぶことが認められています。
また、レインズへの登録期限は媒介契約を結んだ翌日から7営業日以内、売主に対する販売活動の報告義務は2週間に1回以上と、専属専任媒介契約に比べると不動産会社に対する規定も少し緩和されているのが特徴です。
なお、契約の有効期限は専属専任媒介契約と同じく3か月となっています。
一般媒介契約とは
一般媒介契約では、上記の2種類とは異なり、複数の不動産会社と同時に媒介契約を締結することができます。
また、自分で見つけた買主と売買契約を結ぶことも認められているなど、全体的に自由度が高い点が特徴です。
一方、レインズへの登録義務や買主への販売活動の報告義務が不動産会社に課されないといった特徴もあります。
契約の有効期限については不動産会社と売主で自由に決めることができますが、宅地建物取引業法による約款では3か月以内という考えが一般的です。
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不動産売却における媒介契約の種類ごとのメリットとデメリット
媒介契約には、それぞれ種類によってメリットとデメリットがあります。
専属専任媒介契約のメリットとデメリット
専属専任媒介契約の最大の特徴は制約の多さですが、それは同時に専属専任媒介契約のメリットでもあります。
まず、販売活動の報告頻度がもっとも高く設定されているため、販売状況をひんぱんに把握することが可能です。
進捗や購入検討者からの反響を細かくチェックすることで、価格や売却方法の見直しなどについて売主側から提案することもできるでしょう。不動産会社としても、専属専任媒介契約であれば自社でしか買主を見つけることができないため、積極的な販売活動が期待できます。
一方、自分で買主を見つけるアテのある方にとっては、専属専任媒介契約の制約の強さがデメリットに感じられるかもしれません。また、媒介契約を結んだ不動産会社の力量にすべてが左右される点も、専属専任媒介契約を選ぶ際の注意点です。
専任媒介契約のメリットとデメリット
専任媒介契約のメリットは、専属専任媒介契約と一般媒介契約の両方の特徴を併せ持ったバランスの良さだといえるでしょう。
専属専任媒介契約と比較すると頻度は落ちますが、定期的に販売活動について報告を受けることができ、積極的な販売活動が期待できます。
また、自分で見つけた買主と不動産会社を介さずに契約できる点も大きなメリットです。
デメリットとしては、専属専任媒介契約と同様に、契約を結んだ不動産会社の力量に販売状況が左右されやすい点があげられます。
一般媒介契約のメリットとデメリット
一般媒介契約のメリットは、複数の不動産会社とをおして広く物件情報を露出できる点です。
人気が集まる好条件の不動産であれば、購入希望者のなかから条件の良い買主を選ぶこともできるでしょう。
ただし、次の点がデメリットになるケースもあります。
不動産会社としては、広告費をかけて販売活動をしたとしても、ほかの不動産会社で売却が決まってしまうと仲介手数料が得られないからです。
そのため、積極的に販売活動をしてもらえない可能性もあると考えておきましょう。
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不動産売却時に媒介契約を選ぶ際の注意点とは
不動産売却に向けて媒介契約を結ぶ際の注意点について解説します。
媒介契約を結ぶ際の注意点1:広告費用を確認する
不動産会社に支払う費用というと、「仲介手数料」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
仲介手数料は売買契約が成立した際の成功報酬にあたるため、不動産の売却が決まってから支払いの義務が発生します。
媒介契約時の費用に関する注意点としては、特別な広告展開などを依頼した際には別途広告費用が必要になる場合があることです。
追加費用が発生しない通常の広告の範囲について、媒介契約を結ぶ際に確認しておきましょう。
媒介契約を結ぶ際の注意点2:内見のスケジュールを把握する
一般媒介契約を選んだ場合は、内見のスケジュールをしっかりと管理しましょう。
複数の不動産会社が並行して販売活動を進めるため、内見希望の日程がバッティングしてしまう可能性があります。
媒介契約を結ぶ際の注意点3:売却を確実に進めたいなら専任系を選ぶ
一般媒介契約は自由度が高いことからも、比較的自主的に売却を進められる方に向いているといえます。
不動産会社のサポートを前提として売却を進めたい方や、なるべく不動産会社に販売活動を任せてしまいたい方は、専属専任媒介契約や専任媒介契約が適しているといえるでしょう。
また、短期集中的に確実に売却を進めたいという方にも、積極的な販売活動が期待できる専任系の媒介契約をおすすめします。
まとめ
媒介契約は種類によって特徴やメリット、注意点などが異なります。
それぞれの内容を把握したうえで、ご自身の不動産にあった媒介契約を選択しましょう。
また、専任系の媒介契約では不動産選びも重要なポイントの一つです。
名古屋市内で不動産売却に向けた媒介契約選びでお悩みの方は、不動産テラス・はまなまでお気軽にご相談ください。